foolenさんコンセプトデザインについて語る

※今回の製作日誌は、今作のコンセプトデザイン&一部歌詞を
担当しているfoolenさんに執筆いただきました。

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トロント大学図書館より

どうもはじめまして、本作にてコンセプトデザイン&一部歌詞担当するのfoolenです。
主催の伊藤さんに誘われて、制作日誌へ寄稿させて頂くことになりました。
日本語で原稿を書くのがまだ不慣れですが、少しの間に付き合って頂けたら嬉しいです。

同人音楽の世界っていうのは狭いようで、
触れれば触れるほど広がってしまうような不思議な世界です。
あっちこっち手伝っているうちに、色んな制作との関わり方に触れ、
自主制作のモチベーションって本当に人それぞれだなーってよく思います。

自分の場合、モノ作りは日記や「憑き物落とし」的な意味合いが大きかったので、
今までの制作スタンスに若干自己完結的なところがありました…が、
最近になってその考えが少しずつ変わってきたのです。

本作に参加する経験もその心境の変化の1つのきっかけではありまして、
初めての裏方作業だということで、大変貴重な経験をさせて頂きました。

自分が担当するコンセプトデザインというのは、
アルバムのテーマを考えたり、物語のすじや各曲のイメージテキストを書いたり、
トラックの構成を組んだり…というような作業をする役目に当たりますが、
企画が発案から着地点に辿る過程を間近く観察することができる特等席でもありました。

西島さんや他のスタッフの方々のフィルタに通し、コンセプト文案がどんどん変わって行く姿を見ると、
コンセプトデザインという作業の本質は「骨格化」ではないかな…と、
モノ作りの核となるのはむしろ個人的な体験から普遍的な情緒や場面を抽出し、
一般的なテーマとして昇華させるという喜びではないのかな、と考えるようになりました。

その喜びというのは、一人で森に迷い込んだような不安に陥っていると、
「割りと皆それぐらいに変(大変)なんだよー」と友人に言われる時のホッとした感覚に似てると思います。
解薬そのものではないかもしれませんが、ほんの間にでも痛み止めになってくれたりします。

そしてこの個人的vs.一般的という構図は、作り手vs.受け手の関係性の話にも繋がっていて、
まんま自分が考えていた今回のテーマと照り合わせている形になっちゃいました。
なんとここで!うまい事に一つの輪を構築することが出来ました。

その輪は今後どこまでも広がることが出来るのかがまだ一つの楽しみとして、
皆さんと一緒に見届けることができたら幸いと思います。

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マルチクリエイターGYARIさんの話/ファミリーマートに行くしかない話

今回は本作のデザイン担当、ココアシガレットPこと、GYARIさんの紹介です。本職デザイナーでありながら、漫画にイラスト、ボカロPに加えピアノまで弾きこなすマルチクリエイター。彼との出会いについて、少しお話しします。

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イラスト:GYARI/ギャリスタより

僕は大学が東京だったのですが、高校までは仙台にいました。その時の友人に漫画描きが多く、その繋がりで、当時大学生だったGYARIさんにお会いする事が出来ました。正確には、僕の、友人の友人の友人が、GYARIさんだったという事です。遠いっ! がしかし、ご縁があった訳であります。

麻枝准さんや浜渦正志さんの楽曲、それに加えmuzieという以前流行った音楽SNSがあるのですが、そこにも共通の好きなアーティストがいるという事で、即意気投合。 彼が上京してからは、池袋でよく一緒にラーメン食べました。当時から「絵が上手いし音楽も作れるの凄いなあ」と羨ま視線を送っていました。

2009年の1月に投稿された『ボーカロイドたちがひぐらしのYOUをセッションしたようです』は彼の出世作。シンプルな作りにも関わらず、「まるでキャラクター達が生きているようだ」という評価が多く、当時ニコニコ動画でランキング一位を獲得。一躍有名になりました。その年の12月には、オリジナル曲『月光ステージ』を投稿。これも今では20万再生を越える人気動画となりました。同作の漫画版も制作し、pixivでは6万点を越える高評価。1人の手によってメディアを超えて作品を展開する彼の活動にはいつも驚かされています。

ボーカロイドのみならず、最近は生演奏のJAZZライブでも作曲家、ピアニストとして精力的に活躍しており、今後益々楽しみなアーティストです。ライブでは、西島さんの楽曲も演奏されているとのことです。凄い方というのは、お互い引き寄せられてしまうのですね。

来月にファミリーマートのキャンペーンで限定CDが発売されるのですが、そのCDにはGYARIさんと西島さんの楽曲も収録されるとの事です。これはチェックせざるを得ないですね!また、同キャンペーンでココアシガレットのパッケージデザインも彼が担当しています。ちなみに僕は3個程購入しました。

彼は色んな媒体で表現しているけれども、そのどれをとってもちゃんとGYARIさんなんですね。デザインにも、音楽にも、動画にも、イラストや漫画にも、彼がちゃんと存在している。どのメディアをとっても彼を彼たらしめているのが、彼独自のセンスなのだと思います。その一本芯が通っているから、どのメディアを使ってもブレが無いのだと思います。

デザイン周りはこれからが本番です。GYARIさんから、「まかせてください」という心強い言葉を頂いてまして、今から楽しみです。彼のセンスをばりばり使って頂きたいなと思っています。いよいよ残り一ヶ月ちょっと。ラストスパートです!=͟͟͞͞( ‘_’ 三 ‘_’ =͟͟͞͞)

絶望しても良いのかもしれない話/foolen/Diminishing Vision

参加スタッフも徐々に解禁してこうと思います。本作のコンセプトデザインに招いたのは、中国人カナダ在住日本サブカル大好きなfoolenさんです。現在大学院生として学問に励む傍ら、ボーカリストやシンガーソングライターとしても主にアジア圏で御活躍なさってます。日本語、中国語、英語ペラペラです。「なに人ですか」とたずねると、「地球人ですよ」と返してくれます。プロフィールだけで既に面白い方です。
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foolenさんは、僕が大変好きなアーティスト、Studio-kurage主催のtakezouさんのボーカリスト公募に応募し、そちらで歌っていた方でした。
その中でも特筆したいのが、takezouさんのアルバム『ミニマリズム進化論』のラストを飾る楽曲、Diminishing vision。foolenさんが歌唱と作詞を手掛けた曲いたのですが、僕はもうすっかり打ちのめされてしまった。楽曲も素晴らしいです。加えて是非、彼女自身の日本語対訳を読んで欲しいと思います。

歌詞の全編を通して、少しずつ終わりへと向かう「喪失」がモチーフとなっています。失われるものは、vision、即ち「視力」でしょう。主人公の女の子はどんどん目が見えなくなっていくのです。

楽曲の一番の盛り上がりの部分は、失われていく美しいものたちを思い出しながら、視力が失われる事への絶望を歌い上げるシーン。彼女は、色彩豊かな世界から、モノクロの世界を経て、真っ白な世界へと旅立ちます。

多くの方に聴いて欲しい楽曲です。何度聴いても涙が出る。とてつもない衝撃でした。物語の中では、主人公の少女は明らかに「絶望」しているのだけれども、その「絶望」はどうしてこんなに綺麗なんだろう。

「絶望してはいけない」と多くの人が言うけれど、この楽曲を聴くと、「絶望しても良いのではないか」とさえ思えてくるんですね。あるいは、「絶望することを恐れてはいけない」とも受け取れるのかもしれない。楽曲の良さとあいまって、foolenさんのイマジネーションのセンスに完全に打ちのめされました。

更に、センスだけじゃないんです。foolenさんは、深い教養を基礎にしながら、あらゆる文学作品や聖書などからモチーフを集め、彼女自身の中で、物語の強度として結実させます。

才能に必要なのは強度とセンスです。どちらかが欠けても多くの場合花ひらく事はありません。この才能は本物だと確信しました。

歌詞の作り方も面白く、多言語を扱える彼女は、以前「曲によって合う言語は変わる」と仰ってました。流石、「地球人」はスケールが違いますね…。

本企画では、そんなfoolenさんにコンセプトデザインという、いわば作品の心臓部分を担当して頂きました。具体的には作品のコンセプトや物語、各楽曲のイメージを制作します。企画の軸に値する部分であり、この部分がしっかり作られるかどうかで企画の深みや強度がまるで違ってきます。

現時点で、大変素晴らしい作品になっており、今作を一緒に制作出来て、本当に幸せです。これから最後の追い込みです。この作品、もし僕にとって後悔する作品になってしまったら、僕の人生まで後悔してしまう気がする。

コーラス録音終了!

コーラスの録音が終わりました!皆さん、お疲れ様でした!_:(´ཀ`」∠):_

12名が4回ずつ合計48人分の大合唱になりました。特に大きな問題もなく、無事に終了出来て本当に良かったです。やー、大変でしたが、面白かった!

初めにソプラノが完成しました。一人が芯となり、一人が華を添え、一人が全体を包み込む、という形で、大変バランス良く仕上がり、聴いてみるとまるで1人で歌っているかのようです。素敵なエンジェルボイスに仕上がりました。

IMG_20140222_171755アルトは、なんと、男性も歌って頂いています。ご本人は、過去に世界各国でボーイソプラニストとして御活躍なさっていたお方。歌って頂いている姿を見なければ、恰幅の良い女性の方の声です。彼が、アルト全体を包み込み、一人が力強さを、もう一人が芯を与え、丁度良いバランスに仕上がりました。

テノールは特に、煌びやかな高音は是非聴いて頂きたい所です。主催の僕も歌わせて頂きました。難しかったけれど、楽しい楽譜でした!

録音最終日がバスの録音が集中しました。バスが入り、ようやくコーラスがまとまりました。なんて心地よい響き!全てのパートに言える事ですが、一人一人が上手い具合にそれぞれの役割分担をこなしていたなというように感じます。それが可能になったのは、Sebastian氏の手腕による所が大変大きかったです。

録音したデータを早速西島さんに送った所、数時間で仮ミックスが返ってきました。これが、もう、かっこよすぎる…!!疲れが吹っ飛びました。西島さん曰く、コーラスを聴いて更に、作り込むという事で、益々楽しみです。

今回はコーラス隊含めると20人以上のスタッフが本作に参加しています。全員が高いモチベーションでパフォーマンスを魅せてくれるのは、やはり「楽曲が良い」からなのだろうなと思います。まだまだ、更にかっこよくなる予定です。